【霧尾ファンクラブ】オッサンが一方通行ラブコメを読んでみた

漫画

どうも、僕です。

齢を重ねて思うこと。
それは少女漫画を買うのが恥ずかしくなってくたということです。
だって、いい年したオッサンが少女漫画コーナーでジロジロと本を物色するのは
ちょっとした事案ですからね。

けれど、そんな逆風にも負けず、【霧尾ファンクラブ】という少女漫画を買ってみました。
一方通行ラブコメというジャンルらしいです。
ほう、それはいったいどのようなジャンルなのか。

存分に堪能しようじゃありませんか。
どうか、購入するとき払った勇気に見合う作品でありますように。

簡単なあらすじ

『霧尾ファンクラブ』
それは三好 藍美と染谷 波という二人の女子高生が
クラスメートの霧尾くんのことが気になり過ぎて勝手に作った
本人(霧尾くん)非公認ファンクラブである。

構成メンバーは藍美と波の二人だけ。
主な活動はストーカー染みた行動と妄想すること。
そして、日々奇行に精を出し、霧尾くんと仲良くなる方法を模索していくこと。

ちなみに、霧尾くんはどこにでもいる普通の男子高校生で
二人のことをただのクラスメートとしか認識していない。

物語が進むにつれ、二人の努力は実を結び
霧尾くんと接する機会が増えていくが、実は……、というお話。

登場人物紹介!!

三好 藍美(みよし あいみ)

霧尾ファンクラブの一員、ボケとツッコミを担当(強いて言えばボケ)。
外見は黒髪長髪、スタイルの良いクールビューティーだが、中身は小学校五年生と大差ない。

破天荒な性格で、霧尾くん絡みだとセンシティブな言動が多くなる。
霧尾くんのことが病的に好きで、彼のことを神様か何かと勘違いしている。

  • 「ありがとうとふざけんなよ」
    (死ぬ呪いを解呪される代わりに、ウ〇コまみれになることを押し付けられたときの反応)
  • 「霧(尾くんの)ッッッ つく(え)ッッッ」
    (波に抜け駆けされ、霧尾くんの机に座られたとき咄嗟に出た一言)
  • 「9月1日は霧尾記念日」
    (体調を崩して霧尾くんに心配されたとき口走った)

など、数多くの迷言を残している。

染谷 波(そめたに なみ)

霧尾ファンクラブの一員、ボケとツッコミを担当(強いて言えばツッコミ)。
藍美の親友。
外見はゆるふわショートヘアで可愛らしい外見をしているが、中身は藍美とほとんど同レベル。

藍美より社交性があるため周囲に上手く溶け込んでいるが、発想は時に藍美を越えてくる。
霧尾くんのことで藍美にマウントをとることが趣味。
霧尾くんと仲良くなるためなら、親友である藍美がウ〇チまみれになることも厭わない。

  • 「机に~DRAGON~って書いちゃうんだから」
    (藍美に霧尾くんの身近さを説いたエピソード)
  • 「どの日見た誰の涙!?」
    (霧尾くんへのラブソングを作詞する藍美に対してのツッコミ)
  • 「あっ 下痢仲間だとおもわれたのか」
    (波と藍美が初めて会ったときの一場面)

など、数多くの迷言を残している。

霧尾くん

藍美と波から監視され、妄想の対象とされている男子高校生。
外見や言動など特に目を惹く要素はなく、モブキャラみたいな存在。

というかぶっちゃけ、影が薄すぎて原作に顔が出てこない。

クラスメートからの評価は良くも悪くもないが、親しい友人はちゃんといる。
本当にどこにでもいる普通の男の子。
ただ、それなりに苦労した過去があるようで内面に若干影を抱えている。

主な名言は特になし。

こ、これが一方通行ラブコメ……

霧尾ファンクラブの主な活動内容

『霧尾ファンクラブ』は
藍美と波が気持ち悪い妄想を赤裸々に語ることで進行します。

まだ二人が見目麗しい女子高校生の外見をしているからセーフ(?)ですが
これが男子高校生の外見をしていればギャグ漫画
オッサンの外見をしていればR-18指定です。

それくらい二人の妄想はヤバイ!!

仮に僕が、会社で女性社員に対して二人と同じ行動をすれば
問答無用で懲戒事案になるでしょう。

特に僕が、ああ、この二人ヤバいな……と思ったエピソードを紹介します。
それは、二人が雨にうたれながら無邪気にはしゃぐシーンです。

藍美曰く、以下の通り。

おしっこは下水に流れる
→浄化されつつ川に流れる
→川は海に繋がり、海水は蒸発して雲になる
→雲はやがて雨を降らす
→つまり雨は、霧尾くんのおしっこ由来ってわけだぁ! きゃぴゃあーッ

はいアウト。
どうですか皆さん、信じられますか?
これが女子高校生の大真面目な言動なんですよ。

しかも恐ろしいことに、これが『霧尾ファンクラブ』の主な活動内容なのです。

コメディというよりギャグ漫画では?

正直、僕にはコメディとギャグ漫画の違いは分かりません。
(そもそも明確な違いがあるのか?)
しかしそれでも、当作品はコメディではなくギャグ漫画だと思います。

その主な原因は、三好 藍美!
彼女の顔芸は堂に入り過ぎています。
藍美が各種リアクションするときの顔は女を捨てていると言っていいでしょう。

泣いたり怒ったり戸惑ったり。
彼女が感情を剥き出しにするときの表情は、人前で出していいものではありません。
なんかもう、芸人さん顔負けの面白さなのです。

このときだけ、画風が往年のギャグ漫画みたいになっていて良いんですよね。
明らかに意識して変えられていて、藍美の破天荒さが特に表現出来ているポイントだと思います。

キッチリ張られてんですよ、伏線が

言葉選びが丁寧で繊細

ほとんど藍美と波の奇天烈で前代未聞の奇行が描かれている本作ですが
ちゃんとストーリーというものは存在します。
メチャクチャな二人が、ハチャメチャに暴れまくるというのに
物語が最終巻で綺麗に収まるのですから大したもんです。

しかも小憎たらしいことに、随所で最終話を意識した発言が上手く紛れているんですよ。
それこそ、読者を気持ちよく騙してくれる上質なミステリー小説の如く。

明らかに匂わせているのですが、確信を抱かせない台詞の数々。
そして、作品の最初から最後まで漂っている一途な片思いの尊さ。

この辺りの繊細さはとても見事で、読後に極上の爽やかさを味わせてくれます。
コメディとか関係なく、単純な青春学園モノとして非常に瑞々しい漫画だと思います。

いや、マジでエモいのよこの構図

このあと、僕が最も唸った伏線を書きます。
直接のネタバレにはならないのですが、察しの良い人は文章だけで気づく内容だと思います。
テキストを黒色にしておきますので、気になる方だけ文字をドラッグしてご覧ください。

以下、伏線について。

各巻の表紙。

これすら伏線になっているんですよね。
全巻読み終えて気づくことが出来ました。
しかも、一巻の表紙と最終話に出てくるクラス替え直後の席の配置がリンクしているという。
これに気づいたとき、思わず声が洩れましたよ。
本当に、片思いとは尊くて美しい感情だと思いました。

以上をもって
僕はこの漫画が非常に優れたエンターテイメント作品であると推すことができます。

まとめ

  • 女子高校生だから許されている漫画
  • 藍美はウ〇コ表記派、波はウ〇チ表記派
  • 悪ふざけを帳消しにする友情と愛情の尊さ

以上です。

いや、マジで久しぶりに一気読みした漫画でした。
6巻しかないので非常に読み易いんですよね。

あと、今回触れませんでしたが他にもヤバイ登場人物が出てきます。

呪術高専で特級呪物を集めてそうな満田 充。
良質オタクから害悪オタクへとジョブチェンジした田代 聖羅。

この辺りの方々もかなりぶっ壊れています。

他にも語り合い事がたくさんあるのですがキリがないので一言。

とりあえず読め!

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