『密室殺人ゲーム・王手飛車取り』感想|理解が揃った瞬間の興奮

読書
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どうも、僕です。

最近でこそ
当たり前の様にインターネットを多用している僕ですが
昔々は全然使い方が分かりませんでした。

そんなアナログ時代の僕が
ネットを多用するようになったきっかけが
密室殺人ゲーム・王手飛車取りです。

うん、これすごい名前ですよね。
でもれっきとしたミステリー本なんです。

読み終わった瞬間
「へぇ~こんな世界もあるんだ」
と、静かに興奮したのを覚えています。

というわけで今回は
当時の興奮を懐かしみながら
当作品を振り返ってみたいと思います。

作品の概要と基本設定

かなり尖がった設定

『密室殺人ゲーム・王手飛車取り』は、
顔も素性も知らない参加者たちが、インターネット上で“密室殺人”を出題し合う
という形式のミステリです。

改めて文字にするとトンデモナイ設定ですね。

しかも、動機は怨恨や金銭が目的ではなく
あくまで「問題としての殺人事件」。
面白い人の殺し方考えた→試してみたからどうやって殺したか解いてみてー。
というのがほとんどの動機。
そりゃこんな設定は唯一無二でしょう。

そして、本作は連作形式なので、それぞれの話を独立して読める一方、
全体として一つの大きな構造に向かって進んでいく作品 でもあります。

シリーズ全体の中での『王手飛車取り』の位置づけ

『密室殺人ゲーム』シリーズは、本作だけで完結する物語ではありません。
ちょっと先の話ですが、本作で描かれた世界の意味や立場が、少しずつ違って見えてくる続巻
があります。

『王手飛車取り』はシリーズの中でも
・世界観
・参加者たちの関係性
・このやり取りそのものが持つ危うさ
静かに積み上げている起点の一冊 でした。

この段階では、まだ説明されないこと、伏せられていることが多く
読者は「違和感」を抱えたまま参加者たちの言動を追い続けることになります。

しかしその違和感こそが
読者をひきつける、入口としての役割を果たしている一冊です。

主な登場人物(ハンドルネームによる参加者たち)

この物語では、本名ではなく ハンドルネーム で人物が登場します。
それが、登場人物たちの独特の距離感に繋がっています。

  • 頭狂人(とうきょうじん)
    物語の狂言回し役。かなりクール。なんでもそつなくこなすオールラウンダーな感じ。
  • 044APD
    無口。ボイチャでもテキストで意思疎通した方が手っ取りばやい。
    しかし、殺人に関しては解く方も実行する方もかなり優秀、推理マニアであるメンバーの中でもエース枠。
  • aXe(アックス)
    メンバーの中ではかなり多弁。普通の世界ならムードメーカーになれるかもしれないが
    異常な趣味を嗜んでいるこのメンバーの中では、その社会性が逆に不気味。
  • ザンギャ君
    aXeと同じくらい、もしくはそれ以上に口数が多い。しかも、口が悪い。
    少々過激ではあるが、グループの不満を打ち明ける窓口になっている。
  • 伴道全教授
    一人称は『吾輩』。教授というHNっぽい演技がかった話し方が特徴。
    うっかした失言も多めなため、犯罪者にも凶悪な犯罪者にも関わらず三枚目な印象がある。

主な登場人物は以上の通りです。
この小説の登場人物は実際に描写されるシーンがすごく少ないので
インターネット上のやり取りだけが
登場人物たちのキャラクターを形づくる材料となっています。

読み始めたときに感じていた違和感

読み始めた段階から、何とも言えない妙な感覚がありました。
一話ごとに事件は解決していく。推理も通っている。
それなのに、なぜか心が安心できないのです。

一つの事件が終わっているはずなのに、終わった気がしない。
この違和感が、静かに、しかし確実に積みあがっていきました。

それぞれの事件が残していく引っかかり

論理だけを見れば、確かにきれいに解決している。
けれど、読んでいる側の感覚は、どこか落ち着かない。

納得しているはずなのに、
「本当に、これでいいのか」と小さな疑問が残る。

この “納得と不安の同時進行” が、
シリーズの始まりとして非常に印象的でした。

理解できた“その瞬間”の爽快感

終盤で、それまでモヤがかかっていたように不鮮明だった部分が
一気にクリアになります。
この爽快感がミステリー小説の醍醐味と言えるでしょう。
エンターテイメント小説の『そうそうこういうのでいいんだよ
というツボをきっちり押さえてくれています。

爽快感と同居する不安

自分はハッピーエンド至上主義者で
分かりやすい勧善懲悪というオチが好物です。
しかし当作品、そういう意味では自分の趣味とは異なるストーリーとなっております。

犯罪者たちはずっと好き勝手やっていますし
誰も犯した罪に相当する罰を受けていないのです。

しかも、最後の最期で
なんだか登場人物(つまり犯罪者)たちに勝ち逃げさらたような気にさせられるのです。

ここ。

本来ならば僕のモヤモヤポイントなんですけれど
何故かこの作品においては、綺麗にまとまっているように思えるんですよねえ。
他の結末を用意しようとすると、説明不足にもなりそうですし、蛇足にもなりそうですし。

この物語にはこの結末がいいね! と思えるような塩梅にとなっております。
ほんと、これ良バランスな終わり方だな~。

まとめ

  • シリーズの第一作目、続き待ってます
  • インターネット上のやりとりが生々しくてリアル
  • 犯罪、ダメ絶対!

以上です。
この本を読んだときは本当に衝撃を受けましたね。
インターネット怖えー!という恐怖の感情と
ミステリー好きの夢が詰まったような作品だ! という憧れの感情。

後者の感想を、ミステリー作品という形に昇華できたのがこの
密室殺人ゲーム・王手飛車取りという作品なのだと思います、うん。

それにしても、王手飛車取りってどういう意味なん……?

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